特定二次健康診断(労災二次健診)

近年、健康に問題を抱える労働者が増えています。あわせて、業務によるストレスや過重な負荷によって、脳血管疾患及び心臓疾患等を発症し、死亡や障害状態になり、労災認定される件数も増加傾向にあります。

二次健康診断等給付は事業主や受診者の負担金なく(無料で)、下記の基準を満たした労働者に対して、脳・心臓疾患を予防するための二次健康診断及び、保健指導を受けることが出来る制度です。※二次健康診断等給付は、一次健康診断受診後3ヶ月以内となります。

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対象者の基準

一次健康診断にて、以下のすべての項目に異常の所見があると診断された場合に対象となります。ただし、すべてに該当しなくても産業医の指示で受けることができます。

項目 該当基準(一般的目安です)
腹囲又はBMI(肥満度) BMI(肥満度)25以上、腹囲:男性85cm以上 女性90cm以上
血圧 140mmHg/90mmHg以上
脂質
(いずれかに該当)
LDLコレステロール140mg/dl以上 HDLコレステロール40mg/dl以下
中性脂肪(TG)150mg/dl以上
血糖
(いずれかに該当)
空腹時血糖値110mg/dl以上
ヘモグロビンA1c(HbA1c)6.0%以上

労災保険制度に特別加入されている方や、既に脳血管疾患又は心臓疾患を有している方は対象外となります。

1.二次健康診断の内容

☆空腹時血中脂質検査

HDL(善玉)コレステロールは、血管にたまった悪玉コレステロールを肝臓に持ち帰る働きをします。LDL(悪玉)コレステロールは、血管壁に蓄積し、動脈硬化を起こし脳梗塞や心臓病の原因になります。中性脂肪は、糖分の摂りすぎや運動不足で増え、LDLコレステロールを増やし動脈硬化を進めます。

☆空腹時血中グルコース量の検査(空腹時血糖値検査) ヘモグロビンA1c検査

血糖値が高いと、糖尿病の疑いがあります。食事の影響が強いため、空腹時に検査をします。ヘモグロビンA1c検査は、食事による一時的な影響が少なく、過去1~2ヶ月における平均的な血糖値を表します。(ヘモグロビンA1cは、一次健康診断において測定していない場合のみ)

☆心臓エコー検査

エコーを当てて心臓の状態を調べる検査で、心臓の形の異常を発見する形態的診断や、心臓の働きを見る機能的診断に用いられます。

☆頸部エコー検査

エコーを当てて脳に入る動脈の状態を調べる検査で、全身の動脈硬化の程度を表す指標を評価できます。また、脳血管疾患に対する評価にも用いられます。

☆微量アルブミン尿検査 (一次健康診断において尿蛋白が(±),(+) の場合のみ)

尿中アルブミン(血清中に含まれるタンパク質の一種)の量を測定し、腎障害や、心臓血管系の病気にどの程度なりやすいかを予測する検査です。

2.特定保健指導

☆栄養指導

適切なカロリーの摂取等、食生活上の指針を示す指導。

☆運動指導

必要な運動の指針を示す指導。

☆生活指導

飲酒、喫煙、睡眠等の生活習慣に関する指導。